温度変化はエンコーダディスクの精度に影響する?基材の熱膨張の考え方

均一な熱膨張は目盛線の角度位置を変えないため、測角そのものへの影響はごくわずかです。本当に注意すべきなのは、ディスクとハブの膨張差、読取り半径における格子ピッチの変化、反射型読取りヘッドのギャップです。本記事では、一般的な基材の膨張係数と計算例を示します。

2026-10-05 · 廊坊晶正光電技術有限公司

結論:エンコーダディスクが均一に加熱された場合、各目盛線は元の角度位置にとどまるため、温度が角度の読取り値そのものに与える影響はごくわずかです。注意すべきなのは、ディスクとハブ・軸との膨張差、読取り半径における格子ピッチの変化、反射型読取りヘッドの取付けギャップの3点です。

1. 一般的な基材の膨張係数

材料線膨張係数(約、×10⁻⁶/K)
溶融石英0.5
ホウケイ酸ガラス3.3
ソーダライムガラス9
ステンレス鋼16–17
アルミニウム合金23
ポリカーボネート(PC)65–70

表の値は一般的な資料に記載されている代表値です。詳細は材料メーカーのデータをご確認ください。

2. 計算例:温度上昇60 K時のディスク寸法の変化

読取り半径20 mm、2500本の場合を例にとると、格子ピッチは約50.27 μmです。温度が25 ℃から85 ℃に上昇した場合(温度上昇60 K):

基材読取り半径の変化格子ピッチの変化
ホウケイ酸ガラス約4.0 μm約0.01 μm
ソーダライムガラス約10.8 μm約0.03 μm
ステンレス鋼(16)約19.2 μm約0.05 μm
PC(70)約84 μm約0.21 μm

ガラスエンコーダディスクと金属エンコーダディスクの変化はいずれもごくわずかです。PCエンコーダディスクでは読取り半径の変化が0.1 mm近くに達するため、読取りヘッドの径方向の取付け余裕と格子ピッチの整合を動作温度に基づいて検証する必要があります。

3. ディスクとハブの膨張差

ガラスエンコーダディスクをアルミニウム製ハブに接着した場合、両者の膨張係数の差は約14×10⁻⁶/Kです。内径穴の半径4 mm、温度上昇60 Kでは、径方向の寸法差は約3.4 μmになります。接着層が均一であれば、この差は接着層で吸収されます。接着層が不均一な場合、温度サイクルを経てディスク全体がずれ、数μmの偏心になるおそれがあります。読取り半径20 mmでは、3 μmの偏心は約31″の角度誤差に相当します。偏心の計算方法についてはエンコーダディスクの偏心5 μmで角度誤差はどれくらいかをご覧ください。

4. 反射型読取りヘッドのギャップ

反射型読取りヘッドは、ディスクとのギャップに比較的敏感です。軸、軸受ハウジング、ケースが加熱されて軸方向に伸びるとギャップが変化し、信号振幅に影響します。設計時には動作温度範囲でのギャップ変化を検証し、読取りヘッドの許容公差内に収めてください。

5. 選定のアドバイス

  • 広い温度範囲・高精度:ガラスエンコーダディスク。ハブには膨張係数の近い材料を選ぶか、柔軟で均一な接着層を使用
  • 振動・衝撃があり、薄型化が必要:反射型金属エンコーダディスク。温度による読取りヘッドのギャップ変化を検証
  • コスト重視で温度範囲が広くない:PCエンコーダディスク。読取り半径と格子ピッチの変化を検証

見積依頼時には、動作温度範囲、ハブの材料、読取りヘッドの型番を明記してください。条件に応じてエンジニアが基材をご提案します。

本記事は廊坊晶正光電技術有限公司 技術部がまとめたものです。晶正光電はガラスエンコーダディスク、反射型金属エンコーダディスク、PCエンコーダディスク、カスタムエンコーダディスクを製造しています。公式サイト www.encoderdisk.cn、電話 0316-8933331。